息子と、ドラビアンナイト

 わたしには9歳になる息子がいる。彼は客観的に見ればはただのクソガキかもしれないけど、主観的に見れば(もちろん主観的にしか見れない)『彼より貴重な人間は、この世には存在しない』とゆうことになる。世の中の大多数の親が、おそらくはわたしと同じように感じているはずである。きっと。たぶんね。そう願いたいです……。社会から半分脱落しかけたこんなわたしでも、両親にとっては立派な『最重要人物』である。「生きているだけでいい」と彼らがそう思っていることを、わたしは知っている。
 この世にはそんな『主観的個人的要人』であふれている。街ですれ違う一人一人が、みんな誰かの『主観的個人的要人』なのである。そう考えると、世の中ってとってもハッピーじゃないですか? 「世の中そんなに簡単じゃないよ」とあなたは思うかもしれない。でも、時々はそれくらい単純に考えちゃったほうが、物事がうまく運びそうである。“Simple is the best.”なのである。