PINK PIG BLUES 2005

 わたしがお芝居を観に行くのは(学校の行事を除けば)今回で2回目。全くの観劇素人である。だからこの雑文から、何らかの指針が得られたり、この先何かの役に立ったり……なんてことはけっしてありません。心配しなくても、そんな期待を抱く奇特な人はいないでしょうけど。
 観に行ったのは、リリパットアーミーⅡの公演『PINK PIG BLUES 2005』。リリパといえば、『明るい悩みの相談室』でお馴染み?だった故中島らもさんが、主宰していたんだよね、確か  。それくらいのことしか知らない。(現在のリリパは、テレビや雑誌などでも頻繁にお目に懸かる、わかぎゑふさんが主宰されてます)。「まぁ、なんだかよく分からないけど、とにかくバカバカしくも楽しそうだな」と思う。
 会場はHEP FIVE 8FにあるHEP HALL。200人も入ればいっぱいになる様な、小さくてきれいな劇場だ。開演の30分以上前に着いたので、微妙に暇である。話のタネに(関西圏ではおそらく)有名なHEP FIVEの観覧車にでも乗ろうかな?と思ったけど止めておいた。『50を過ぎた父親と30近い娘が、二人で観覧車に乗る図』ってのは、ちょっとシュール過ぎる気がしたのだ。そうでもないですか? 代わりにひとり、クレープおじさんで可愛いお姉さんの焼く『バニラメイプルパイ』を買って食べる。名前の通り、バニラアイスにメイプルシロップがかけられている。希望通りにきちんと甘い。久しぶりのクレープはとても美味しかった。近頃のわたしの身体は、メイプルシロップを求めているのだ。(今日もメイプルロールを食べた) 蜂蜜ではなく、メイプルシロップを。どうしてかな? それはちっとも分からない。
 何の先入観もなく観た『PINK PIG BLUES 2005』は、なかなか楽しめました。月に数回、芝居通いをしている父は「これで3千円は高いなぁ」とかゆってたけど。(『PINK PIG BLUES 2005』最高!!ってみなさんごめんなさい。これはただの好みの問題で、わたしは好きです。はい)。以下は、チラシに載ってた簡単なあらすじです。

 ある夜、ラジオから流れてきたのは冗談めいた殺人依頼の募集。思いもよらない言葉に、自分の中に潜む殺人願望を発見してしまう7人の男たち。彼らが殺したい相手は、日常でごく普通に関わっている人間だった…。

 わたしは「もし月に数回観に行くなら、芝居よりも映画の方がいいな」と考える、ケチで、きわめて現実的な人間だ。(映画館なら2時間もパイプ椅子に座らせられて腰を痛める心配もないし、前に座ったふくよかな御婦人の体に役者が2人も隠れたりはしない)。自分でチケットを取ってまでは、正直観ようとは思わない。「確かに、映画の方が外れはないな。だいいち、その方が安いし」と父も同意する。「でも」でも、なのだ。「自分の好みにピタッときた時の感覚は、本当にすごいんだ。目の前で演じてるわけだから」と彼は言う。芝居には生の、リアルで圧倒的迫力がある。それはやはり映画にはない。あるいは質の異なるものだ。それはわたしにもよく分かる。
 リリパの舞台は、始めから最後までとてもテンションが高かった。開演直後には、野田晋市さん演じるDJアマンダのぶっ飛んだオカマっぷりに、ちょっと引きそうになったくらいだ。でも、みなさん本当にプロの役者さんなんだな、と思う。テレビドラマや映画みたいに、あの人の演技はちょっとな……てことがない。別の舞台だとか、今回の役を離れたところでお会いしたとしても、わたしにはうまく識別出来ないんじゃないかな? 顔を覚えてないってのは抜きにしてもね。役によってイメージがガラッと変わりそうである。劇的に。  *1ブログを読んだかぎりでは、関 秀人さんは出来に不満そうだけど(昨日が初回公演だった)プロというのはなかなか厳しいもんである。よく分からないけど、さすがだ。
 でも、この『PINK PIG BLUES 2005』はたったの6日間、計9回しか(父が言うには、これでも多い方なんだそうである)公演されない。そりゃないよ、とわたしなんかは思う。1ヶ月以上も熱心に稽古して、苦労して創り上げた作品なのだ。そんな限られた期間と人数にしか披露できないなんて  
 わたしなんかが「ブログのカウンター、ちっとも動かないなぁ……。それにページを開いた人のうち、いったい何人が、実際に読んでくれてるんだろう? ブツブツ」てなことを言ってる場合じゃないのである。全く。
 まだ、若干*2チケットが残ってる日もあるみたいなんで、興味のあるかたは是非どうぞ。劇の最後に、ファン垂涎の、男性キャストによるとてもセクシーなダンスも見られます。きっとDVDも発売されるだろうから、それでじっくり堪能、ってのもありかもしれない。わたしは特に、吉田憲章さんの鍛え上げられた美しい腹筋とお尻に釘付けでした。ごっくん。