わたしをドイツへ連れてって

 真夜中過ぎの一時三十分、W杯最終予選の大切な一戦が開始された。時間的には遅かったけれど、今日は土曜日だしご覧になってた方も多いんじゃないかな? バーレーンは小さな国で人口も少なく「葛飾選抜だと思えば負けるわけがありません!」と朝のワイドショーのアナウンサーが言っていた(たぶん葛飾)けど、やっぱりこの一戦の重要性を認識すればするほど余裕で観戦……、とはいかないですよね。
 結果的には夜更かしの疲れも吹っ飛ぶ嬉しい*1勝利となりましたが。ダンケ・シェーン オガサワラ!! 北朝鮮戦も期待してます。引き分け以上でいいと思うと、わたしの貧弱な心臓もなんとかもってくれそうだし。子供時代の地区予選とかを思い出して、選手のみなさんには無観客試合もうまく乗り切って欲しい。
 でも正直なところもし負けてしまっていたとしても、わたしは選手個人個人を責める気にはなれなかった。きっと。中田英寿宮本恒靖柳沢敦も(敬称略)ひどく日に焼けている。その赤黒い肌に数千と浮かぶ玉の汗を見ていたら、彼らが積み重ねてきた苦しい練習と抱えている重責の厳しさとを思った。中田英寿は大きなアクションで激しく声を上げていた。数年前の彼はそんな風に声を張り上げるタイプの選手には見えなかった。周りの期待と責任感とが彼を変えたのだと思った。全ての選手が必死なのだと感じた。
 夜明けが近づいてきても京都は蒸し暑く不快だった。わたしは布団に寝ころんでテレビを見ながらバーレーンは比べようもなく暑く息苦しいだろうと考えた。そこで選手達は九十分間集中力を切らさずに走り続けている。激しく躰を当てられ、時には足を釣りながら  。「負けても責める資格なんてどこにもないなぁ……」ほんとにわたしはそう思ったのだ。
 バーレーンがアジアに分類されているのはとても不思議な気がする。試合中ずっと流れていた熱いリズムの歌(誰かが実際に歌っていたのかな?)と鳴り物の響きが、アウェイというよりここは『異国』なのだと強く感じさせた。アウェイと異国とどちらが試合しやすいのかは分からないけれど。