メモ

 人間を精神的強度によって分類しようと試みたなら、わたしは多分『強度・中の最弱』くらいに位置されるのではないか、そんなことを思った。小さい頃は自分のことを精神的に弱い人間かもしれないなんて考えもしなかった。
 でも幾つかの経験を通してそれをはっきりと認識すると、この国で年間三万人以上のひとが自ら命を絶っている事実が現実のこととしてほんの少し身近に感じられる。わたしはこの先も自殺しようとすることはないだろうけれど、わたしの周りを包む幸福の要素を玉葱の皮でもむくみたいにスルスルと一枚ずつ剥ぎ取っていったとしたら……、何処まで耐えきれるのか正直なところ全く自信はないのだ。
 まぁ生きていればいいこともあるだろうし(そうでなきゃ困る)、わたしが死ねば悲しむひとが一ダースくらいはいそうなので、とりあえず今日も無為に生きているわけです。