合コン体験 その1

 アズさんのリクエストにお応えして、柚木が参加した人生初かもしれない合コンのお話。といってもたいしたお話もロマンスもないのだけれど。
 愛する息子も旦那さんも(一応書いとかないと怨念が怖いので)いるわたしは、当然合コンに夢も希望も抱いちゃいない。でも今回は大学のゼミ友達からのたっての頼みで、女の子集めをすることになった。ちっとも気乗りはしないけれど、お義理幹事を引き受けることにした。友達は大切にする質なのだ。
 3年ぶりに会う彼は、今年司法シュウシュウの実習で京都に戻ってきている。わたしがいるから京都希望にしたんだよねー、ということにしておく。だって彼には、この京都でわたし以外に頼る女はいないのだ。
 彼に会うのはともかく、合コンするのはあまり(というかほとんど)気が乗らなかった。旦那さんに嫌みのひとつを言われたことはたいして気にもならなかったけれど、司法シュウシュウ生との合コンが楽しいとは思えなかったからだ。そんな合コンに友達を誘うのって勇気がいる。なので「楽しくなくとも合コンという場に慣れるよう経験してみる」といううちの美人事務員さんと、「柚木と食事するということで満足しよう」という優しい中高時代の同級生を連れて行くことにする。あとは優しい同級生の知り合いと、そのまた知り合い。
 誘い難かったもうひとつの理由は、奢ってももらえないだろうという半ば確信があったからだ。確か朝日の新聞記事で、男っぽい性格をしている女の方が「飲み会で男の方が多く払うべき」と回答する傾向があると言っていた。でも普段とっても女らしいワタクシも、基本的には飲み会では多少男が多めに出すべきだと考える。遠慮無くお酒を飲むわたしはともかく、お茶やジュースしか飲まずあまり食べてもいない女の子たちがきっちり割り勘されるのって、見ていてとても切ない。それに申し訳ない。
 大学時代は結構そういう経験が多かった(といってもそれほど飲みに行ってないけど)。そんなこと気にしたこともない風な男の子たちに、「ねぇこの子は飲んでないんだからさ……」と言うのは結構大変だ。結局そう言えたのは一回だけだった。その時は一番飲んでいた男の子が、「飲み代って飲んでる場の雰囲気代だからさ、飲んだとか飲んでないとか関係なく。オレはそう思ってるんだ」と嫌みという感じでもなくそう言いながら多めにお金をだしてくれた。――でもなんだか疲れちゃったのだ。
 読んでる人も疲れちゃっただろうから、今日はこの辺で。期待させないまま次回に続く。