夏休みの思い出 バスツアー軽井沢

 パンフレットによると、朝から小諸ワイナリー見学である。といっても実態はワイン工場の土産物売り場に寄って、お金を落としていってねーというだけの時間、約30分。ワインのでっかい樽も何も見せてはもらえない。つまらないので購入の方はお義母さんたちに任せることにして、わたしはせっせと試飲に励むことにする。バスに戻ると何故かキッコーマンの卓上醤油が配られる。ひとり一本、計5本の荷物。
 それからその日メインの軽井沢へと移動。軽井沢銀座へと続く別荘地は、ひどく閑散とした印象だった。お盆時期はベストシーズンのはずだろうに、人の姿が見えない。売りに出された別荘や朽ち果てた建物が木々の間から見え隠れする。
 でも軽井沢銀座にはさすがに人が溢れていた。ジャム屋さんと蜂蜜屋さんがやたらと目につく。オオスズメバチの蜂蜜漬けがずらりと並んだ店先を、息子とふたりできゃーきゃー冷やかして歩く。トリックアートの美術館を見つけ、時間を気にしながら中に入った。でも楽しむには完全な時間不足。
 移動が続く。釜飯で有名なサービスエリアで昼食タイム。混み合っていて釜飯はもちろん、ラーメンも食べることが出来なかった。仕方なく軽井沢で買ったパンをバスの中でモソモソ食べながら、出発時間を待つ。
 次の目的地は、「のどかな放牧風景を眺める」清里。時折ぱらついていた雨が、しっかりと降り始める。晴れていれば爽やかなはずの高原は、雨のせいで肌寒い。震えながら名物のソフトクリームを食べる。牛の姿はどこにもない。
 日が暮れ始めた頃、ようやく最後の目的地に到着した。花と星空のビレッジ「ハイジの村」。京都への道をひた走っているはずの時間、閉園間際の遊園地みたいにひっそりとした「ハイジの村」を散策する。もの悲しい気分になる。
 夜ご飯はまたバスの中で。ハイジの白パンとサービスエリアで買ったアツアツのコロッケ。とても美味しい。