まいまぐ

 職場を変わったのを機に、マイマグを買い換えてみる。カラフルなキャンディボックスみたいな雑貨屋さんで可愛いマグを見つけて、急にそんな気になった。可愛いくてお安いマグは、「小銭を持っていたらついつい買いたくなってしまう物(柚木内)ランキング」の結構上位に位置している。
 でも最近柚木は「お買い物は寝かしてから」する主義なので、その時も600円のマグに後ろ髪を引かれながら結局買わなかった。家にもマグは幾つもあるし、派手なイラスト物ってすぐに厭きちゃうかもしれない。
 さて、どうするべきか? 悩みながら1週間、またその雑貨屋さんに寄った。その日は偶然にも店内商品1割引セールをやっていて、これはもう買うしかない、と心を決めた。と思ったら、同じシリーズの作品が幾つも並んでいてまた悩む。ひとつずつ手にとって、何度も眺めてみる。季節的に絵柄がマッチしているのか、それともこの気に入ったシリーズものの中から買おうとしているのがそもそも間違いなのか……。思考はぐるぐると複雑な螺旋模様を描き始める。早くしろと急かす息子にアドバイスを求めてみたけれど、それもどうもしっくりこない。
 ――真剣に考え続けていると、もういっそ買うのをやめてしまおうかと思う。いくらなんでもお安いマグひとつに悩みすぎだ。
 わたしが買った*1マグは「marini*monteany(マリーニ*モンティーニ)」という作者のオリジナル雑貨ブランド「ecoute!」のもの。細かく描き込まれたヘタウマなイラストに、鮮やかな色がぎゅっと詰まっている。それでもちゃんと調和がとれていて、見ていてとても楽しい。
 てっきり外国の絵本か何かが元になったグッズ商品かと思っていたら、実は作者は長崎県出身の男女二人組なのだそうだ。

*1:柚木が持っているのは下の18番。持ち手のところにもオレンジのネズミがいて可愛らしい。http://www.marini-monteany.jp/menu/ecoute!/funny.mug/funny.mug.html