ゴールデンウィークですね

touko_yuzu2007-05-02

 31歳の目標の第二番目「ちょっとは行動的になって家の外をウロウロしてみること」、春の分は実行完了の柚木です。こんにちは。なので当然ゴールデンウィークはお家(お義母さんの)でゴロゴロする予定。連休中は何処に行っても混んでるし旅行代金だってぼったくられる(もう何年も出かけてないけど)しで、お家でのんびり過ごすのが正解だと固く信じるのであります。もちろんこれは31歳の目標達成の精神からすると、イカにもいただけない態度なわけだけれど、お花見関連のお出掛けで柚木はちょっと疲れてしまったのだ。
 (実際はちょろちょろと家の外に出ることになった。「何処にも行かないの?(行ったらいいのに)」という行動派なお義母さんからの言外のプレッシャーに負けて、しぶる息子と旦那を連れて、ゴールデン・ウィーク前半はお義母さんの車で近くの高原までドライブした。後半は河原でバーベキューでもするつもり。)
 それはともかく、4月の間にお花見らしきものへ2度出かけた。ひとつは平安神宮の紅しだれコンサートで、もうひとつは保津峡のお花見ラフティング。わたしにしてはかなりの頑張りようだ。
 結論から言って、紅しだれコンサートは全くの期待はずれだった。人はあまりに多すぎたし、花はほとんど咲いていなかった。随分前に行った時はまだコンサート自体が開催され始めた頃で(確か初回か2回目だった)、人がうんざりするほど溢れていたりはしなかったし、満開に咲き誇った数百本の桜がライトアップされて薄紅く夜空に浮かび上がっている様は幻想的で素晴らしかった。池にちらちらと瞬く桜を眺めながらゴンチチの音楽を聴いた。日常が少し、霞の向こうに遠のいていくみたいだった。今回もチェンミンさんの二胡の音色は本当に美しかったのだけれど、その姿は人混みの陰に隠れてほとんど見えなかった。いくらうっとりするような音楽の中でも、冬が戻ってきたような寒さの中で前にも後ろにも動けずじっと人の背をみているのは、あまり楽しくない。10メートルごとにバイトの係員に急かされながら花見をするのは、正直もうこりごりだ。この紅しだれコンサートはツアーコースに組み込まれてしまっているようだったから、これからも人は増え続けるだろう。だからたぶん、もう行こうとは思わない。
 お花見ラフティングの方は、とても楽しかった。だけどちょっとだけ心に引っ掛かることがあった。わたしたちは息子も入れて4名でそのツアーに参加していた。春の嵐山は混雑するかもしれないからと、車で行くのは諦めることにした。すぐ近くの場所でも車で行きたがる旦那さんにしては、随分な譲歩だった。実際はたいして道が混んでいた様子はなかったから、車で行けばよかったのだ。そう強く思ったのは、19名の大学生くらいのグループが1時間以上も遅刻してきたからだ。一人だけが時間どおりに到着して、スタッフに謝っていた。
 わたしたちはさっさとウェットスーツに着替えて、することもなくぼんやりと彼らが到着するのを待っていた。仕方なくスタッフはラフティングボート1台分の人間(わたしたちの他に男女2名)を連れて、先に出発することにした。後続を待つためにのんびりと川を下っていく。どうして待つ必要があるのかはよくわからなかったのだけれど。
 楽しいなぁと叫び続ける息子は、パドルを漕いで先に進みたがる。水流はそれほど多くない。パドルの力を失ったボートは、遊園地の池に浮かぶアヒルボートのように水面を漂う。川下りの観光客が次々と通り過ぎていく。手を振るのにもだんだん飽きてきた。ちょっとした急流を過ぎると、どうしても水がかかった。もちろんそれが楽しいのだけれど、4月はまだ寒い。じっとしていると濡れたところから身体がどんどん冷えてくる。
 途中、岩場にのぼってお弁当を食べた。食べ終わっても後続はまだ現れない。息子は「きっとマクド食べてはるんや」と言い出した。のんびりマクドでランチを食べて映画でも観ているに違いない、だからこんなに遅いのだというのが息子の推理である。たぶん息子は小学生的正義感から、遅刻してくる人間が許せなかったのだと思う。だけどラフティングボートで川を下ってくる人たちに向かって無差別に「マクド食ってはった人らやー」と叫び始めたので、ついにパパに叱られてシュンとする羽目になった。だけど言わせておけばよかったと、後でほんの少し後悔した。なぜなら、彼らは最後まで一度もわたしたち他の参加者に謝らなかったからだ。
 待たせたという意識がなかったのかもしれないとも思う。でも19人もいて、ひとりくらいは謝ろうと思い付く人間がいてもよかったのにと思うのだ。途中のお弁当タイムでも、最後の着替えの時も誰も謝ってくれなかったから、その後遡ってどんどん腹が立ってきた。そもそも時間通りに来たひとりが謝るべきだったんじゃないかな、そういえばスタッフもわたしたちに謝らなかったな、とかね。特にスタッフについてはきちんと説明して謝るのが普通だと思うのだけれど。
 それでもその場にいた人間は、誰も直接文句を言わなかった。同僚の秘書さんたちには絶対に言うべきだったと言われたけれど、苦情を言うのにはとても力がいる。だからかいいことだとも思えないのだけれど、つい黙っている方を選択してしまう。疲れることはやはりしたくないのだ。