沖縄めぐり一日目

touko_yuzu2007-09-12

 ようやくレンタカーに乗り込み、ホテルまで2時間ひた走る。ホテルは那覇北部、名護近くにある。沖縄の人はとてものんびりと車を走らせる。そして正直なところ、(普段あまり運転しないあたしの目から見ても)あまり運転が上手ではない。運転席のだんなさんがブツブツ文句を言う。確かに気持ちはよく分かる。「車線変更は状況を見て、きちんとウィンカーを見てやりましょう」
 道路沿いの歩道に、ぽつりぽつりとアイスクリーム売りが立っていた。沖縄といえばブルーシール。眩しい太陽の下、アルバイト中の少年少女がアイスケースの傍で溶けかけている。道路を背にして手すりに乗りかかり、海をぼーっと眺めている男の子もいた。ああやってずっと立っていて、アイスクリームはどれぐらい売れるんだろう。車を停めて、買ってみればよかった。
 空腹をかかえたままホテルに到着。部屋から海が見える。海に引き寄せられる息子を連れ出し、またすぐに車に乗り込む。予定していた今帰仁城跡を見学する時間はなくなった。世界遺産だしまぁ一応……と勝手にリストに入れただけなので、止めておこうと言っても誰も反対しない。
 予定を変更し、美ら海水族館のある海洋博公園へ向かう。食事をする場所は見つからない。食堂の看板は見かけるものの、どの店にも人気が感じられない。営業しているのかすら判然としない。がたがたと軋む戸を開けると、奥から90過ぎのおばあが現れそうな気がする。とても訪ねてみる勇気は出なかった。
 先に公園内のエメラルドビーチに寄り、息子とふたりで海に入る。曇り空の夕方。少し肌寒い。砂浜に珊瑚の白い欠片が混じっていて、ここが沖縄なのだと知らせてくれる。浜を離れようとしたとき、雲が切れて光が射した。海の色が一変する。仄暗い夕暮れの海が光を映し、一瞬エメラルドグリーンに輝いた。日が雲に隠れ、海はまた元の色に戻る。
 美ら海水族館を見て回るのに、思ったほど時間はかからなかった。閉館時間が近かったから、イルカのショーも何もなし。でもショーはなくても、水族館は楽しい。海の底に沈んでるみたいな気がする。泳いでるアオブダイを見て、沖縄にいる間にこれを食べようと思う。
 ホテル内の居酒屋で夕食をとるつもりで、昼食らしい物は食べずにホテルの戻った。だけど夏休みの人混みで、予約なしでは中に入れてもらえなかった。当てもなく暗い道を彷徨う気にはなれず、ホテル内のがらんとしたレストランでディナーバイキングを食べる。やけにクーラーが効いている。沖縄まで来て、一体全体なんだってサイコロステーキなんか食べなきゃいけないんだろう。
 深く疑問を抱えたまま翌日の行動プランを確認し、就寝。