沖縄めぐり二日目

touko_yuzu2007-09-16

 朝ご飯の会場は昨日サイコロステーキを食べたレストラン。7時過ぎに行くと、長い行列が出来ていた。昨日といい今日といい、ご飯を食べるのにどうしてこんなに苦労しなきゃいけないんだろう。30分ほど並んでようやく中に入れた。ご飯はどれも美味しい。バイキング形式になっていて、和食洋食沖縄食と豊富に並んでいて厭きない。暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たい。量が減るとすぐに補充しに来てくれる。ついつい何度もおかわりに行ってしまう。
 レストランを出る時にも、まだ行列は続いていた。次の日の早起きを固く決意する。明日の朝は早いのだ。
 はち切れそうなお腹を抱えてパイナップルパークへ。沖縄にいる間に食べた中でここで食べたパイナップルが一番すっぱくて不味かった。文句なしの「ワースト1」。そうじゃなきゃ食べ放題なんて謳えないのかもしれないけど(ちょっと酷いんじゃないの)。お土産の傍らには腹ぺこのトラみたいにアグレッシブなおばさん店員が待機していて、迂闊に近づくことも出来なった。早々に退散。
 時間が余ったので、近くのガラス館に移動して店内をぐるりと一回りした。むかしお土産に貰ったような素敵なグラスを探したけれど、気に入ったものは見つからなかった。買い物もクラフト体験もしない。息子がブルーシールのアイスクリームを食べるを待っている間、旦那さんが小さな蟻に首を噛まれた。傷跡が見えないので放っておくと、ひどく痛むらしく怒って車に戻ってしまった。でも、してあげられることなんて何もないじゃないか。
 太陽が空高く昇る中、古宇利島目指して車を走らせる。美しいエメラルドグリーンの海の真ん中を、橋が突き抜けている。この海を縫って長く伸びた古宇利大橋は、無料で渡ることができる。最高のドライブスポットだ。よく晴れた空の下で、海がきらきらと輝いている。一周するのに10分もかからないような小さな島には、サトウキビ畑があちこちに広がっている。美しい景色以外には何もない、そんな場所だった。
 マングローブでカヌーに乗る。――息子が沖縄で一番の楽しみにしていたこと。マングローブに囲まれた川幅は狭く、引き返してくるカヌーをやり過ごすために端に寄って待たなくてはならなかった。夏休みはマングローブも渋滞する。でも急ぐ必要なんてない。息子はニコニコ笑いながらパパとカヌーを漕いでいた。海辺で貝を拾い、手作りのサーターアンダギーを御馳走になりながらストラップにする。ガイドのクロちゃんが三線(さんしん)を弾きながら「涙そうそう」を聴かせてくれた。声が少し震えている。クロちゃんはまだ新人ガイドさんなのだ。
 ホテルに戻って昨日断られた居酒屋へ。また断られる。夏休みってこれだから堪らない。昨日よく分からなかった予約のルールを再度聞き直して、明日の予約を入れる。空きを待って3台しかない旧式の洗濯機に洗濯物を放り込む。地下の狭いコインランドリースペースに、待ち人は絶えない。このオンボロ洗濯機たちが、よくもまぁこの夏休み中の過酷な労働に今まで音を上げなかったものだ。
 夕食を食べに、ホテルのテレビCMでも流れている「大家(うふやー)」に行った。ナビを頼りに、細く灯りのない道を恐る恐る進んでいく。真っ暗闇の中に松明が浮かび上がているのを見た時、山道で迷子になった友人を無事に探し出したような気がした。100年前の古民家を改装した店内は薄暗く、気のいい妖怪が潜んでいそうな雰囲気がある。好き嫌いの多い息子が、アグー(豚)の陶板焼きを喜んで食べていた。脂が陶板から次々流れ落ちて、テーブルに小さな池を作った。
 明日の朝は早い。乾燥機の順番待ちをして、ようやく中に放り込んだ。1時間近く回しても、ほとんど乾いていない。いらない服まで洗ったことを後悔しつつ、部屋中に湿った洗濯物を並べた。ぐっすり眠るばぁばと息子を横目に、翌日の行動プランを確認し、就寝。