沖縄めぐり四日目―最終日

touko_yuzu2007-10-11

 ホテル最後の朝食。朝6時半に慌てて会場に向かった。この日は特設会場が用意されていたお陰で、スムーズに食事を取ることができた。「どうして宿泊予約者数をチェックして夏休み初日から特設会場を用意できなかったのか」についての深い考察を交えながら、最後の美味しい食事を腹一杯詰め込む。夏休みのこの特別な混雑というのは毎年のことだろうに……ぱくぱく……いったいどうして今日になるまで……もぐもぐ……。でもサーブをしてくれる人がよい具合に飲み物や食べ物を補充してくれるし、食事も文句なく美味しいしで、段々それもどうでもよいような気がしてくる。
 最終日もよく晴れていた。ホテル前に広がるビーチで、チェックアウトまでの短い時間を泳いで過ごす。ぎりぎりにチェックアウトして高速に乗り、一路那覇市内へ。高速道路はよく整備されていて、空いている。名神高速では120キロくらいみんな平気で出すのだけれど、沖縄では100キロを超えると警察は許してくれないらしい。なので素直に郷に従って、メーターと睨めっこをしながら100キロ厳守で走る。
 スピードを抑えた我慢の走りに、あたしはちょっと旦那さんを見直した。でも高速を降りてすぐ、雲行きが怪しくなった。首里城には少し迷いながらも無事たどり着いた。だけどその後向かったレンタカーの返却場所の在処について、馬鹿みたいな言い争いをすることになったのだ。
 柚木は地図が読めない。立ち止まって地図を自分の進行方向に合わせ、しばし熟考すればともかく、絶えず動く車中で紙面とナビの地図を見比べながら、定かではない目的地を割り出してたどり着くなんていう芸当は神の啓示なしには成し遂げられない。「でもそれはそれで仕方がないんじゃないの(得意な人がやってよ)」、というのがわたしの意見であって、「その気がないから(努力が足りないから)出来ないだけだ(だから努力しろ)」、というのが旦那さんの意見である。まるで噛み合わない。
「俺は分かっても、お前が分かるまでは絶対に(返却場所に)行かないからな!」と怒鳴られて、ほんとに頭に来た。「成田離婚」する新婚さんにシンパシーを感じつつ、国際通りを観光して歩く。予定より時間がなくなったのも、それもこれもみーんな旦那さんの意地悪のせいじゃないのか? 
 しばらくぷんぷん腹を立てていたのだけれど、土産物屋さんが続く国際通りではあまりすることもなくて、歩き終わる頃にはほぼ怒りは治まっていた。大抵の怒りはそう長く持続しない、というのがわたしの性格の数少ない美点と言えるかもしれない。
 表通りからしばらく歩いて、公設市場に入った。豚の顔や皮をつるりと剥がれたフグが並んでいる。念願のアオブダイも大から小までよりどりみどり。市場で食材を買うと、その場で調理をしてくれる。でもそんな時間は無かった。なんて無念。それもこれも旦那さんが……、と怒りを再燃する前に、あまりの生臭さに負けて退散する。特に旦那さんと息子は、変わった臭いに耐えられない。余分にあと3時間与えられたとしても、ここでみんな揃ってご飯は食べられなかったなと思うと、時間に追わるても腹が立たない。アオブダイはまた別の機会の楽しみにする。
 関空では液体の手荷物持ち込みが厳しく制限されていた。それを頭に、那覇空港でワインボトルをスーツケースにしまおうとしていると、「割れ物は手荷物で……」と荷物預かり所前の係員に注意された。きっと那覇空港をジャックしても、インパクトに欠けるということなのだろう。(米軍基地があるけどいいのかな?)
 空港から家までは、またシャトルタクシーで一直線。タクシーはほんと楽ですね。ふだんは全く乗らないけど。