息子さん太陽に負ける

私も息子さんも、今までに数えるほどしか高熱を発したことがない、というのは今までに何度か言っていると思う。実際息子さんが最後に38度を越える熱を出したのは、かれこれ6年ほど前、保育園最後の年のことだった。インフルエンザにかかって、近年何かと噂のタミフルのお世話になった。薬の効果なのかは知らないけれど、珍しく上がった熱もすぐに下がった。老人はなかなか熱が出ないというから、この体質が体にいいのかどうかは良く分からない。でも私も息子さんも今のところ大病には縁がなく、息子さんは小学校の無遅刻無欠席記録を日々更新(今は夏休みだけどね)中である。
そんな彼が、学校の希望者参加遠足から帰った後熱を出した。楽しく遊んだ帰りのバスの中で頭が痛くなってきたらしい。熱を測ると37度を越えている。「微熱だね、軽い熱中症だと思うよ。水分をとって涼しいところで寝てたらよくなるからね」と、おでこに何時買ったか知れない冷えピタを貼り、エアコンをかけて横にならせた。時々お茶やポカリを飲ませ、様子をみる。
しかしまぁ時間の経過とともに良くなるはずが、これが少しも良くならなかった。次に熱を測ると38度を越えている。熱はどんどん上がっていく。体温計が39度を示した時、これはもう病院に行かない訳にはいかないと思った。熱に苦しむ人間を叩き起して病院に連れて行くのはかえって気が進まないものだけれど、そうも言っていられない。翌日からは旅行の予定だって入っているのだ。
真っ青な舌に驚いた小児科の先生に、息子さんは熱に苦しみながらも律儀に「舌が青いのは、お菓子を食べたからで」と説明する。「風邪の兆候はみられないので、昼間の熱にやられたのかもしれませんね」と予想通りの診断を受け、息子さんは2時間の点滴を受けることになった。
しかしどうして涼しいはずの高原に行って、太陽に負けなきゃいけないんだ? ──それは太陽に近くなったからかもしれないし、木陰のない場所で遊び続けたからかもしれない。涼しいだろうと、持たせたお茶の量が少な過ぎたのが最大の間違いだったのかもしれない。結局朝には熱もほとんど下がり、旅行にも無事出かけることができた。
でも太陽はとても怖いな。日頃元気だっていうのは関係ないですね。みなさんも充分気をつけてください。母はもっとお茶を持たせればよかったとか、帰ってきてすぐに病院に連れていけばよかったとか、点滴中に携帯の機種変に出かけて2時間後に戻ったら処置室が真っ暗だったとか、色々反省しています。