大人の工場見学

 今朝は雨音で目が覚めるくらいの本格的な雨だった。当然ながら昨日に引き続き息子の楽しみにしている運動会は中止。中止になるのはこれでもう3回目である。運動会に於いて『雨天順延』という言葉がこれほど意味を持つことなんてそうはない。結果的には昨日実施しちゃえばよかったのだけれど、まぁ昨日の朝の予報では「今日から梅雨の中休みに入る」はずだったので学校の判断に文句は言えない。今日こんなに立派な雨が降るなんて、わたしにしたところでちっとも予想できなかったのだから。
 ……せめてこれに懲りて来年の運動会の予定を梅雨時に組むのは止めてくれたらいいのにな、と思う。でも学校というのはわたしとは随分異なる判断基準を有しているみたいなので、それだってどうなるか分かったもんじゃない。「のど元過ぎれば」ってことも充分あり得るんである。ほんと恐ろしい。

 では、現時点ではもう既に締め切ってしまっているけれど、第九回「モトクラシ大調査」に参加したのでその報告。
 【村上モトクラシ大調査】 http://d.hatena.ne.jp/motokurashi/20050614
 数日前、【村上モトクラシ大調査】にトラックバックをすると灯台守マツモトさんがブログを訪問してくださるらしいことを知った――。実際に何処かのブログで灯台守さんが質問に答えてられるのを見たので、単なる噂でもないらしい。ある程度予想がつくこととはいえ、少し冷や汗。別に失礼なことは書いてないつもりだけどなぁ……、どうなんだろう?
 わたしが灯台守さんに訊いてみたいのは「【村上モトクラシ】というタイトルを考えたのは誰ですか?」ということ。すごく「春樹さんらしいタイトルだなぁ」と思っているのだけれど。実際のところはどうなのか、ちょっと気になります。(『村上モトクラシ』にそれを管理する『灯台守』、お出迎えするのは安西水丸さんの牧歌的絵図。何とも心惹かれます。期間限定サイトなのが哀しい)。
 とりあえず第一問目とその回答結果。

 
村上モトクラシ大調査】1・村上春樹さんの工場訪問エッセイ『日出る国の工場』も人気のある一冊です。この本には村上さんが安西水丸さんと一緒に訪ねた7つの会社が出てきます。このうち、あなたが働いてみたいのはどこですか?

京都科学標本(人体標本製造工場) 136
松戸・玉姫殿(結婚式場) 88
ラビット(消しゴム工場 121
小岩井農場 391
コム・デ・ギャルソン(縫製工場) 88
テクニクスCD工場 89
アデランス(かつら工場) 87

 一位は「小岩井農場」。二位の「京都科学標本」にダブルスコアの差をつけての圧勝です。みなさん本当に朝が強いのですね、びっくり。毎日搾りたての牛乳を飲めるのかと思うと魅力的だけれど、その代わりに日の出と競争しながらごそごそ起き出し、牛糞の芳しい薫りと共に重労働をこなす……というのはずいぶん割に合わないような気がする。
コム・デ・ギャルソン」の洋服は一見シンプルそうなものもやたらに手が込んでいて非常に美しいので、背丈が足りずコム・デ・ギャルソンの服は着られないわたしでも勤めてみたい気がする。でも『ミシンとの絶望的相性の悪さ』から断念。(縫製工場)という限定さえなければ間違いなくここを選んでいた。
「京都科学標本」および「アデランス(かつら工場)」も素敵だけれど、同様の個人的事情(要するに不器用なのです。とっても)により却下。
 この中で一番小学校の社会見学(わたしは地元の伏見酒造へ行った。お土産に日本酒をもらって……、というようなことはなかったです、確か)に相応しそうなのが「ラビット(消しゴム工場)」。七つの会社のうち「テクニクスCD工場」とこの消しゴム工場を除けば、一般にイメージする『工場』というものとはだいぶ離れている気がする。ぽこぽこと消しゴム(字消し)が生み出されていく様は、視覚的にはとてもシンプルでよいのだけれど、そんなのは蟻の行列と同じで三日も見てたら飽きちゃいそうである。勤めて一週間で辞めるというのは、わたしの持つささやかな常識に反する。「テクニクスCD工場」も同じ。
 以上のような比較検討の結果、わたしが勤めてみたいのは「松戸・玉姫殿(結婚式場)」に決定です。パチパチパチ。きれいな花嫁衣装を毎日眺められるのもポイントだし、時にはドラマのような「花嫁略奪」事件に遭遇したりしちゃうかもしれない。結婚式場は人生の縮図である――。誰もそんなこと言ってないけど。
 

日出(いず)る国の工場

日出(いず)る国の工場

 わたしも大人になってから一度だけ工場見学に行ったことがある。横浜にある(メーカー忘れちゃった)大手ビール会社の工場。だだっ広い敷地の中はよく手入れされた芝生の緑が青空をバックにすごく美しかった。晴天が続く夏の、とても暑い昼日中。まさにビール日和だ。ビールが酵母菌やら何やらを加えられて徐々にビールへと成長していく姿を「ふむふむ」と感心しながら見る。でもそんなことはほとんど忘れてしまった。何年も経った今でもはっきりと憶えているのは、工場見学の最後に試飲したビールの美味しさである。「これが普通に出荷されて、いつも飲んでるビールなのか?」なんだか信じられない気がする。まるっきり別物なのだ。有名店のスイーツとコンビニケーキくらいは違う。それまで缶ビールなんて保存食の一種みたいに考えていたのは、本当に申し訳なかったと思う(とか言いつつ今も外に置きっぱなしなんだけど)。工場内のレストランでチーズフォンデュを食べつつ飲んだビールは、間違いなくわたしの人生ベストワンだ。
 またビール工場見学に行きたいと思いつつ、あれから一度も行っていない。美味しいビールを飲みたければビール工場へ行け、なのである。
(話は逸れるんだけど、わたしは一度だけ完全に味の変わった缶コーヒーを飲んだことがある。割に回転のいい自販機だったし、もちろん消費期限が過ぎてるなんてこともなかった。結局そのコーヒーは奇妙なものに出会った珍しさと、せっかくお金払ったんだし……という貧乏性から全部飲んじゃったけれど、お腹の方は別に何ともなかったです)。

 それではようやく第二問目。  

村上モトクラシ大調査】2・村上作品を読むと、どっちの気分になる?

短パン、Tシャツで海辺へ 835
ドレスアップで夜の街へ 165

 わたしはやっぱり「短パン、Tシャツで海辺へ」です。海でたっぷりと泳いで草臥れた後に、きゅっと冷えたビールを飲んで昼寝をする。うん、最高に幸せだ。
 もう一つの選択肢が「仕事の後にひとりで都会のバーへ」だったら(仕事もしてないのに)すごく悩んだんだけどな。